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遺言について

遺言とは
現代において人は自己の財産を自由に処分することができます。遺言とは、この権利をその死後にまで認めた法定の制度です。ゆえに人は、遺言によって法定相続分と異なる内容で自由に相続させることができるのです。しかし遺言は法律の定める一定の方式に従ってなさなければならないため、法律の方式に違反すると遺言は無効になってしまいますので注意が必要です。
遺言の現状
近年、家庭裁判所では遺産分割に関する紛争の申立てが増えており、その解決も長期化しているようです。こんな時、被相続人が相続人等に 配慮した遺言書を残しておけば、紛争を未然に防げたのにと思うことも多々あります。また遺言書があっても方式の不備なものや内容の不完全なものが少なくないため、せっかくの遺言がその内容を実現できなかったり、かえって、遺言をめぐる紛争が生じたりする場合もあります。
法的効力のある遺言事項
法律が効果を認めている遺言事項の主なものは下記の通りです。その他の事項、例えば「私の亡き後、家族仲良く暮らすように。」とか「兄弟は協力して母親の面倒をみるように。」といった内容は、それが書かれている場合、その部分については法的拘束力はありませんが、その遺言書が無効になることはありません。遺言者の最後の希望ということで、残された方の任意で行われることになります。
遺言によってのみすることができる事項
  1. 後見人・後見監督人の指定
  2. 相続分の指定とその委託
  3. 遺産分割の方法の指定とその委託
  4. 遺産分割の禁止
  5. 遺産分割における共同相続人間の担保責任の指定
  6. 遺言執行者の指定とその委託
  7. 遺贈(遺留分)減殺方法の指定
遺言によっても生前行為によってもすることができる事項
  1. 認知
  2. 推定相続人の廃除とその取消
  3. 財産の処分
  4. 祖先の祭祀承継者の指定
  5. 特別受益者の相続分に関する指定
  6. 生命保険金受取人の指定
    ※ ただし、遺言でするよりもむしろ生命保険会社で受取人
    変更の手続をしておくのが確実です。
  7. 信託の設定
遺言能力
遺言は、人の最終意思を尊重するものですから遺言の代理は認められず、未成年者でも
15歳以上であれば遺言能力が認められ、被保佐人、被補助人も保佐人、補助人の同意を得ずに単独で遺言をすることができます。ただ、15歳以上の者であっても、遺言の時に意思能力が無い場合には、遺言は無効となります。
未成年者 15歳未満 遺言能力なし
15歳以上 遺言能力あり
被保佐人
被補助人
  遺言能力あり
成年被後見人 原則として 遺言能力なし
本心回復時 遺言能力あり
注意点として、成年後見人であっても意思能力を回復している状態であれば遺言をすることができますが、そのためには、医師二人以上の立会いのもと一定の方式に従った遺言をする必要があります。
遺言の撤回
遺言は遺言者の死亡によって効果が発生するため、法的に有効な遺言がされた後に、その効果が発生するまでにはかなりの時間がかかる場合があります。この間に遺言者の意思が変わることも十分考えられるわけです。その場合、初めに書いた遺言書を撤回することができないとなると、人の最終意思を尊重するという遺言制度に反することになりますので、法は遺言の撤回を認めています。
では、その方法として法はいくらかの方法を認めているのですが、主に
  1. 遺言書を破棄する。
  2. 内容の異なる新しい遺言書を作成する。
この二つの方法が考えられます。
1の場合文字通り、完全に破り捨てたりして遺言書の存在を消すわけでが、新たに遺言書が作成されずに亡くなられた場合は、当然ながら遺産は法定相続分か相続人の遺産分割協議によって分配されることになります。
2の場合については、遺言者の死後、遺言書が2通発見された場合は、日付の後の遺言書が有効になります。そのことから、前の遺言と内容の抵触する後の遺言がなされたときは、抵触する部分については、後の遺言によって前の遺言が撤回されたものとみなされます。
「抵触する」とは、前後の遺言が、客観的に見て両立しえない関係にあることをいいます。

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